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Oリングは面粗度が重要!旋盤高精度加工で機密性を高める方法

こんにちは。
今回は SUS304 Φ150mm × 厚み20mm 材を使ったフランジの Oリング溝加工 にフォーカスした記事をお届けします\(^o^)/

Oリング溝は、フランジの “密閉性能” を左右する最重要ポイント。
「ただの溝」ではなく、ほんの数ミクロンの違いが漏れの原因になることもあります。
今回は、実際の加工ポイントや工夫をまとめてみました。

そもそもなぜOリング溝が難しいのか…?
Oリングは溝にセットされた状態で圧縮されることで密閉します。
つまり溝加工では、溝深さ、溝幅、底面の粗さといった 細かな条件をすべて高いレベルで揃える必要があります。

しかも今回の材料は… SUS304。
粘っっこく、逃げる、発熱しやすいくムシレが出やすい、 という職人泣かせの素材です…(´;ω;`)ウゥゥ

今回のOリング溝仕様はこんな条件でした。
Oリング溝:幅・深さ ±0.02mm 管理
底面粗さ:Ra1.6 程度を目標

溝そのものはシンプルですが、
材質と精度の組み合わせが“職人泣かせ”です(´;ω;`)ウゥゥ

実際の加工ポイントをまとめると…
① 刃物選定
とにかく「粘り」に勝てるか、SUS304は切粉が伸びやすく熱をためがち。
今回使用したのは、切れ味の良いエンドミルで微小Rで面を荒らさない形状の耐熱性の高いコーティング品を選定しました。

② 加工条件を安定させる
Oリング溝は「深さ 1/100㎜左右する世界なので、加工中の刃物のたわみや熱膨張が誤差に直結します。そのため、切込み量を控え、切削熱を逃がすためのクーラント多め供給や送り速度を状況に合わせて微調整を実施。
(SUS304は条件を外すとすぐにムシレが出るため、常に切削音と切粉の形状をチェックしながら進めました)

③ 底面仕上げ
Oリングは底面が凸凹していると締め付け時に密着しないため、
底面の状態がシール性能を大きく左右します。
そこで、切削中に底面凸凹が発生しないような切削経路を選択し、最後の仕上げは送りを落として丁寧に実施しました。指でそっと触っても凸凹を感じないレベルまで仕上げを実施。
ここが一番手間ですが、完成度に直結します。

④ 最終チェックで溝深さの再測定は必須
深さゲージで複数点測定し、円周方向のムラを確認。バリの残りや傷を目視と手触りでチェック。

これでようやく完了~

SUS304の Oリング溝は、「溝加工」の中でも特に難易度が高い部類でしたが、
今回も、刃物の条件設定や仕上の切り込み量等がバチッと噛み合って、
精度・粗さともに狙い通りの仕上がりになりました(試行錯誤しましたが…)

ぜひお気軽にご相談ください!(^^)!

詳細は、下記より是非チェックしてください(^^♪

紹介製品ページ
https://www.nc-net.or.jp/company/59897/product/detail/263713/

エミダスページ
https://www.nc-net.or.jp/company/59897/

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